忘却機能の特性を理解し学習をルーティン化する

「勉強ができる人」と「できない人」の違いは、学習をルーティン化しているかどうかという点にあります。

脳は、もともと、必要のない記憶や嫌なことは忘れるようにできています。

もし、必要のない記憶や嫌なことをすべて覚えていたら、気が狂ってしまうと思いませんか?

脳の忘却機能は、生命を維持するための安全装置だと考えるべきなのです。

学習をルーティン化するということは、脳に対して『学習は日常的なこと』であると教えることです。

『日常的なこと』というのは、脳にとって『生きていくために必要な行動』だと教えることです。

その『必要な行動』からインプットされた情報、すなわち、学習時に記憶したことは『良い記憶』として脳に歓迎されます。だから、覚えが良いのです。

簡単に言えば、学習習慣が身に付いている子どもは、少ない学習回数で物事を習得できるが、学習習慣が身に付いていない、または、勉強が嫌いな子どもは、何度学習しても身に付きにくい、ということです。

これは、頭の良し悪しということではないのです!

脳から歓迎される行動を取っているかどうか、ということです。

このように、既に学習習慣が身に付いている子どもは、グングン学習内容を身に付けていくのです。

では、小学校高学年や中学生からでは学習習慣は身に付けられないのでしょうか?

正直に言えば、自我が目覚める前に、生活習慣として学習習慣を身に付けるのがベストです。

しかし、脳の特性を利用して、この年齢からでも学習習慣を身に付けることは可能です。

脳が、『良い記憶』として受け入れる事柄には、次のようなものがあると考えます。

①繰り返し記憶される事柄 【必要性のある情報】

繰り返し記憶される事柄は、『必要だから繰り返し記憶している』のだと、脳は判断します。

『必要なもの』と判断された記憶は、短期記憶から長期記憶へと移行することになります。これが、『学習の定着化』と言われるものです。

②達成感や好奇心を満たす事柄 【好ましい情報】

子どもが好きなゲームを例にとって考えてみましょう。

子どもは、ゲームの攻略法などはよく覚えます。これは、ゲームを攻略することで達成感が得られるからです。また、新しいゲームのことには好奇心を持って、自ら調べたり研究したりします。

『人生はゲームである』

成功哲学の本などによく書かれる有名な台詞ですね。

つまり、人生とは筋書きのないアドベンチャーゲームなのだと理解した者から成功していくということなのです。本来は、これを教えるのは親であり教師なのですが、最近はこのような情景を見かけなくなりました。

親が何でも面倒を見てしまうので、人生にゲーム性がないのです。だから、子どもたちは、親の干渉が入らない仮想世界でアドベンチャーゲームを楽しむしかないのです。

ゲームをやめさせたければ、ゲームを取り上げるのではなく、親の過干渉をやめることが最も近道です。

『急がば回れ』ではないですが、根本的な原因を取り除かない限り、状況は好転しません。

子どもたちへの過干渉をやめることで、子どもたちの生活にゲーム性が生まれます。

そうすることで、子どもたちの生活では、新しい発見や刺激が待っているのです。

それこそが、現実世界での達成感や好奇心を満たす事柄となります。

このような過程で、小さなことでもよいので、新しいことが覚えられたり、うまくできたりしたことがあったら、キチンと認めてあげることが大事なことです。

これらのことを踏まえて、学習習慣を身に付ける手順をまとめてみましょう。

①親の過干渉をやめる

②子どもに簡単な学習計画を立てさせる

③『忘れたら覚える』という反復学習を習慣化させる

④小さな目標でもよいので、できたら認めることで達成感を味わわせる

たったこれだけですが、一連の流れには重要な要素が含まれています。

・親が子離れする

・子どもが自分で考え行動する

・反復学習で学習内容を定着化させる

・成功体験を味わいモチベーションを上げる

こうした『脳の性質』を理解して取り組めば、今までと同じ時間勉強をしても、学習効果はグッと高まります。