子どもに言ってはいけない7つの言葉

私は、自分の子供たちに「勉強しなさい」と言ったことは一度もありません。

学習することが習慣化されていれば、「勉強しなさい」と言われなくても当然のように勉強するものです。

 

逆に、こどもが学習意欲を無くす言葉、第1位は「勉強しなさい」です。

説得力のある理由無しに、ただ「勉強しなさい」と言われるから反発するのです。

また、親に学習習慣が無かったり、家庭に学習環境をつくっていないのに、こどもだけに「勉強しなさい」と言うのは論外です。

 

それでは、第2位から第7位は、どうでしょうか。

第2位:「宿題はやったの?」

「宿題はやったの?」

「明日の準備はできたの?」

親子の会話で、このような光景が多くみられます。しかし、これらは、全てYESかNOで答えられる『閉じた質問』と呼ばれる、最も避けたい会話の一つです。

たいていは、「うん。」と言う返事が返ってきておしまいです。これは、空返事ですね。だから、会話自体に中身が無いのです。こんな中身の無い会話を続けていて、自分のこどもが勉強できるようになると考えてはいけません。

第3位:「頑張れ」

叱咤激励も良いのですが、親の期待を押し付け、結果としてこどもを追い詰めることは論外です。

親の期待に一生懸命こたえようとする気持ちのことを『良い子心』(いいこしん)と言います。本来は、自然体でできることが望ましいのですが、『良い子』を演じることはこどもにとって大きなストレスにつながります。『良い子』であることに疲れて無気力になったり、生きる自信を無くす場合もあるため、実は、非常に危険な状態です。

第4位:「あなたのため」

「あなたのためを思って言っているのよ!」

一週間に何回言っていますか?

親としては、最も有効的な言葉だと思って言うのですが、こどもに対しては説得力がありません。

それは、言葉の中に納得できる具体な理由が含まれていないからです。

親としては言いたくないかもしれませんが、自分の失敗談や身の回りで起きた具体的な例を話して、『なぜ、こどものため』に言っているのか理由を明らかにするべきです。

第5位:「どうして出来ないの!」

大人でも、こんな言われ方をしたら嫌です。

上司が部下に言ってはいけない言葉の一つでもあります。私は、部下に対しては、極力この言葉を言わないようにしてきました。

「どうやったら出来ると思う?」と言って、相手に考えさせるようにしています。こどもの場合は、一緒に考えてあげるのも良い方法です。

第6位:「やればできる子」

学習習慣を子どもに身に付けさせていない親の責任を子どものヤル気のせいにしています。

親の責任を子どもの責任に転嫁しているようでは、親子そろって成長が見込めません。

こどもの努力を期待するなら、まずは、親が自ら学習の姿勢を見せてください。人生は、生涯が学習です。大人になっても学ぶべきことはたくさんあります。それをこどもに示すのです。『学習は人生の礎』であり、日常的なことだということです。わざわざ努力することではないのです。

「やれば~」という言葉の裏には、「生活習慣は変えたくないけれど、こどもさえその気になってくれれば。。。」という、親に都合の良い考え方が垣間見られます。

生活習慣を変えるということは、親が変わらなければ実現できません。何故かといえば、その家の生活習慣は、親の生活習慣そのものだからです。

しかし、一番変わることを嫌っているのは親自身であることが少なくありません。

親が変われないのに、こどもにだけ「変わってほしい」と思うのは如何なものでしょうか。

第7位:「だから言ったでしょ」

この言葉は、私も言ってしまうことがあります、これは、『大人の最後の切り札』ですね。

「あそこまで言ったのだから、あとはこども自身の責任だよね。私のせいじゃない。。。」ということです。

ただ、こどもが同じ間違いや大人の助言を聞かないのは、問題点の本質を理解していないからです。

大人には、その本質をこどもに伝えたり理解させたりする責任があります。中には、精神年齢や理解力が未熟なため理解できない場合もあるでしょうが、そこで諦めてしまっては物事が先に進みません。

私が、親御さんに最もお願いしている部分が、実はココなのです。物事の本質に迫るという習慣を持っていない家庭で育ったこどもは、物事の本質が理解できていないので『一を聞いて十を知る。』ことができません。

さらに言えば、これら、第1位~第7位の言葉は、物事に対する根本的解決(=本質に迫る)ことを避けて、全ての責任をこどもに負わせているやりとりです。

「どうしたら、次は成功するのか?」「乗り越えるべき課題点は何か?」

このことをこどもに考えさせるように導ける言葉でない限り、親子の会話は徒労に帰すのです。

学習環境