幾多の本に書かれていることでもあり、また多くの人が異口同音に話すことがあります。
それは、勉強のできる、いわゆる『頭の良い子』の共通点として、
小さいころから図鑑に接することで様々な事柄に興味を持ち、自ら学ぶ姿勢を会得したということです。
その一方で、
「ウチの子は図鑑は読むのですが、その他の本を全く読みません。」といって、
お子様の学業不振を訴える親御さんがいます。
さて、両者の違いはどこにあるのでしょうか?
一概には言えないのですが、一番の問題は親子の会話ではないでしょうか。
勉強のできる子供の共通点は、小さいころに母親とも父親ともよく話すということです。
もちろん、反抗期ともなれば親とは話す機会も少なくなると思いますので、
幼少期から、どれだけ親子間の会話があったということがポイントになります。
「図鑑さえ与えておけば大人しかったので。。。」と言って、
親子のコミュニケーションを放棄している場合が往々にしてあります。
そのような場合は、いわゆる『図鑑オタク』で、人間に興味を示さなくなります。
すると、コミュニケーション能力・日本語能力が育たないため、『学ぶ』ことができなくなります。
『学ぶ』は『真似ぶ』に語源があると言われるように、上級者のしていることを真似ることが最善の方法です。
そのためには、日本語でのコミュニケーションが欠かせませんが、この能力に問題があると『学ぶ』ことができなくなります。
勉強のできる、いわゆる『頭の良い子』の共通点として取り上げられる図鑑の効用は、
「図鑑があったから」ということではなく、「親子のコミュニケーションも図鑑もあった」ことに起因しています。
図鑑は知育教材の一部でしかなく、勉強のできるこどもの親は、トータルにこどもの知育環境を整えているということです。
我が家では、生物系、天文系の図鑑を中心に大人が読んでも遜色ないものを揃えていました。
いくらかでも、難しい文章に触れることで日本語力も身に付くからです。
そして、こどもが読んで分からないところは親が解説する、というコミュニケーションは欠かせません。
図鑑は親が楽をするための道具ではなく、親子のコミュニケーションを育む知育教材なのです。
この点を履き違えると、
「ウチの子は図鑑は読むのですが、その他の本を全く読みません。」ということになるのです。